きんせ旅館【京都・丹波口】/築約250年の元旅館カフェ

JR丹波口駅から歩いて約10分の場所にある「島原」

京都の花街というと「祇園」がぱっと思い浮かぶ方が多いと思いますが、ここ「島原」もかつては東の吉原、西の島原と呼ばれるほど格式の高い花街。坂本龍馬や新選組も通っていたことで有名です。

加えて、江戸時代中期には「島原俳壇」が形成されるなど和歌や、俳句などの文芸活動の拠点にもなりました。

※くわしい島原歴史については建物自体が国の重要指定文化財にもなっている「角屋おもてなしの文化美術館」で詳しく知ることができます。

いまでは、当時の花街文化を色濃く残すエリアとして観光客も増加。

また「島原」から歩いて10分ほどの場所には京都鉄道博物館京都水族館があり、2019年春には京都駅と丹波口の間に新しく「梅小路京都西駅」が開業予定。便利もよくなってますます注目されるエリアに。

きんせ旅館の外観

その島原に2009年にオープンしたのが今回ご紹介する「きんせ旅館」です。

外観から既に歴史を感じさせますが、なんと築年数は約250年!この建物は、歴史的風致形成建造物に指定されています。

開店は平日が15時からで、土日は10時から。定休日は火曜です。

貸し切りなどで時間や定休日は変わることも多いそうなので、行かれる場合は公式Twitterや電話等でご確認ください。

「きんせ旅館」の歴史

もともと江戸末期に揚屋(文化人サロンのような宴会場)として建てられた建物で、その後は旅館に。

その旅館が閉店してからは20年近くそのままになっていたそうですが、以前の経営者の孫にあたる現オーナーによって2009年に1階をカフェバーとしてオープン。

2階は、一日一組限定の宿で、海外からの観光客にも大人気だそうです。

豪華絢爛な空間

中へ入ると…

優雅に飛ぶ鳳凰と、牡丹のステンドグラス!

そして番をしているかのような鹿の置物がお出迎え。

入口からすでに圧倒される美しさです…

足元のタイルも素敵…

↓こちらのタイルは、「泰山(たいざん)タイル」というモザイクタイルの第一人者・池田泰山が手掛けたもの。

さまざまな柄や色、形をもったタイルたち

この水色綺麗だなあ…

ついつい足元に見入ってしまいなかなか動けません…

入口横には「いわしコーヒー」という焙煎所があり、直火式の焙煎機と珈琲豆が置いてありました。

思う存分タイルを楽しんだ後、中へ進むと解放感のある高い折上格天井が。

和風な外観からは想像できない、煌びやかな和洋折衷の空間!

昔はダンスホールとしても使われたそうです。

「きんせ旅館」では不定期でジャズや弾き語りなどのライブも開催されています。(永原真夏さんのライブ行きたかった!)

そして、ここにも美しいステンドグラス…

訪れたのは日曜で、「京の夏の旅」という文化財特別公開の期間だったこともあり、観光ツアーの団体さんなどでとても賑わっていました。土日はいっぱいになることがあるので、時間に余裕をもって行くのをおすすめします。

私が入ったときは運よく席がすいて、窓際に座れました。

チューリップのステンドグラス

猫モチーフがたくさんの本棚

珈琲を待っている間、本棚に置いてあった『足の下のステキな床』を読みました。

この本によると入口にあったタイル以外にも、貴重な泰山タイルが壁、縁側、トイレにつかわれているそうです。これから行かれる方はぜひチェックしてみてください。

きんせ旅館の喫茶メニュー

原稿用紙のメニュー表。

ドリンク以外に本日のケーキとチーズスコーンがいただけます。

夜はアルコールメニューも提供しているそう。夜ここでお酒を飲むのも素敵だろうなあ。

ブラジル珈琲(500円)

入口横の焙煎所「いわしコーヒー」の珈琲を頂きました。

余談ですが…店内では大好きなくるりのアルバム「ソングライン」が小さく流れていました。

私が行ったのはちょうど、くるりが梅小路公園で毎年主催するフェス「音博」の日。

大正ロマン時代にタイムスリップしたような店内で、くるりの新しいアルバムが流れていてなんだか不思議な気分になりました。

「きんせ旅館」店舗情報とアクセス

【住所】京都府京都市下京区西新屋敷太夫町79

【アクセス】JR嵯峨野山陰線・丹波口駅から歩いて約7分

【定休日】火曜日

【営業時間】平日15時~22時 土日10時~22時(要確認)

【公式Twitter】https://twitter.com/kinseryokan

(訪問2018年9月)